新NISAが2024年にスタートしてから、「NISAを始めた」という人を身近でも聞くことが増えてきました。
テレビやインターネットでもNISAが頻繁に取り上げられているため、
「日本人の何割くらいがNISAをやっているの?」
「NISA口座を作っただけで、実際には投資していない人もいるのでは?」
と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
金融庁の最新データを見ると、2025年12月末時点のNISA口座数は約2,821万口座まで増えています。新NISA開始前の2023年12月末は約2,125万口座だったため、わずか2年間で約696万口座増えました。
すでにNISAは、一部の投資家だけが使う制度ではなく、一般の人の資産形成手段として定着しつつあるといえるでしょう。
しかし、ここで注意したいのが、
「NISA口座を持っている人=現在NISAで投資している人」ではない
という点です。
今回はNISAの加入率や口座数、実際の買付状況などから、日本でNISAがどのくらい利用されているのかを詳しく見ていきます。
NISAの加入率はどのくらい?約2,821万口座まで増加

日本証券業協会が金融庁のデータを基にまとめた資料によると、2025年12月末時点のNISA口座数は約2,821万口座です。
NISA口座数の推移を見ると、次のようになっています。
| 年 | NISA口座数 |
|---|---|
| 2014年末 | 約825万口座 |
| 2018年末 | 約1,254万口座 |
| 2020年末 | 約1,523万口座 |
| 2022年末 | 約1,801万口座 |
| 2023年末 | 約2,125万口座 |
| 2024年末 | 約2,559万口座 |
| 2025年末 | 約2,821万口座 |
出典:金融庁・日本証券業協会
2014年末には約825万口座だったNISAは、2025年末には約2,821万口座まで増えました。約11年間で3倍以上になった計算です。
特に大きな転機となったのが2024年に始まった新NISAです。
新NISA開始前の2023年末には約2,125万口座でしたが、2024年末には約2,559万口座、2025年末には約2,821万口座まで増加しています。
2023年末から2025年末までの2年間だけで、約696万口座増えています。
成人の「4人に1人以上」がNISA口座を保有
では、日本人全体で考えるとどのくらいの割合なのでしょうか。
金融庁は2026年7月の大臣会見で、NISA口座数が約2,800万口座に達しており、成人の4分の1以上が保有している水準であると説明しています。(金融庁)
単純化すると、
成人4人のうち1人程度がNISA口座を持っている
という状況です。
少し前までは「株式投資をしているのは一部の人」というイメージがありましたが、新NISAによって状況は大きく変わってきました。
NISA口座を持っている人全員が運用しているわけではない
ここからが今回の記事で最も重要なポイントです。
NISA口座数が約2,821万口座あるからといって、
約2,821万人全員が現在NISAで株や投資信託を購入しているとは限りません。
金融庁のNISA統計で公表されている主な数字は、
・NISA口座数
・NISA口座での買付金額
・年代別口座数
・成長投資枠とつみたて投資枠の買付額
などです。(金融庁)
一方で、「口座開設者のうち、何人が現在も毎月投資を続けているのか」という全国民ベースの稼働口座数は、主要な公表統計から単純には分かりません。
そのため、
「NISA加入率約25%」
と
「NISAで実際に投資している人の割合」
は分けて考える必要があります。
「NISA口座を持っているだけ」の人も存在する
例えば次のようなケースが考えられます。
NISA口座を開設したものの、まだ一度も投資商品を購入していない人。
一度株や投資信託を買ったものの、その後は追加投資していない人。
以前は積立投資していたものの、現在は積立設定を停止している人。
商品を保有したまま、新規の買付を行っていない人。
こうした人もNISA口座数には含まれます。
したがって、「NISA口座数」だけを見てNISAの実質的な利用率を判断するのは注意が必要です。
実際にNISAではいくら投資されている?
ただし、NISA口座全体で見ると、実際の投資金額はかなり大きくなっています。
金融庁・日本証券業協会によると、NISA口座での累計買付額は2025年12月末時点で約71.4兆円に達しています。
さらに2025年だけを見ると、
成長投資枠:約12.5兆円
つみたて投資枠:約6.2兆円
となっており、合計すると約18.7兆円もの新規買付が行われています。
つまり、「口座だけ作って何もしていない人」が一定数いる可能性はありますが、NISA全体としては巨額の資金が実際に投資に回っています。
2025年だけで約18.7兆円がNISAで投資された
2025年のNISA買付額は次のようになっています。
| 投資枠 | 2025年の買付額 |
|---|---|
| 成長投資枠 | 約12.5兆円 |
| つみたて投資枠 | 約6.2兆円 |
| 合計 | 約18.7兆円 |
日本証券業協会の資料によると、2025年のNISA買付額の約67%が成長投資枠、約33%がつみたて投資枠でした。
NISAというと「毎月少額を積み立てる制度」という印象を持つ人もいますが、実際には成長投資枠を利用して株式や投資信託へまとまった金額を投資している人も多いことが分かります。
NISAを実際に運用している人は何割?
では、「NISA口座を作った人のうち実際に運用している割合」は何%なのでしょうか。
ここは数字の扱いに注意が必要です。
金融庁が公表している約2,821万という数字は「口座数」です。
一方、全国の全NISA口座について、
現在運用中○%、休眠状態○%
という形で整理した公的な最新統計は確認できません。
したがって、
「NISA口座の○%が稼働している」
と断定するのは適切ではありません。
ただし、民間調査からNISA利用者の傾向を見ることはできます。
オリコンがネット証券利用者4,978人を対象に実施した2025年の調査では、新NISAについて「運用している」と回答した割合は、
成長投資枠:65.9%
つみたて投資枠:45.4%
でした。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)
ただし、この調査対象は「ネット証券利用者」です。
もともと投資への関心が高い人が多い集団と考えられるため、日本人全体のNISA利用率としてそのまま使用することはできません。
あくまで、
「ネット証券を利用している人の中では、新NISAを実際に運用している人がかなり多い」
という参考データとして見るのが適切でしょう。
NISAは年代によって利用状況が違う
NISAは若い世代だけが利用している制度ではありません。
2025年12月末時点の年代別NISA口座数を見ると、日本証券業協会の資料ではおおむね次のようになっています。
| 年代 | NISA口座数 |
|---|---|
| 10代 | 約13万口座 |
| 20代 | 約337万口座 |
| 30代 | 約495万口座 |
| 40代 | 約538万口座 |
| 50代 | 約553万口座 |
| 60代 | 約418万口座 |
| 70代 | 約308万口座 |
| 80代以上 | 約159万口座 |
出典:日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況(2025年12月末時点)」
最も口座数が多いのは50代で、40代、30代も多くなっています。
つまり新NISAは若年層だけの制度というより、
20代から70代まで幅広い世代に利用されている
ことが特徴です。
特に働き盛りである30~50代でNISA口座が多いことから、老後資金や将来の資産形成手段としてNISAが浸透していると考えられます。
なぜNISA口座を作ったのに投資しない人がいる?
せっかくNISA口座を開設したのに、なぜ投資しないのでしょうか。
理由はいくつか考えられます。
投資商品を選べない
NISAでは投資信託、ETF、国内株式、海外株式などさまざまな商品を購入できます。
選択肢が多いため、
「どの商品を買えばいいのか分からない」
という状態になり、そのまま口座だけ残っている人もいるでしょう。
株価が下がるのが怖い
NISAは税金が優遇される制度ですが、元本保証ではありません。
株式や投資信託の価格が下落すれば、当然損失が発生する可能性があります。
口座を作ったものの、市場の下落を見て投資をためらうケースも考えられます。
投資する余裕資金がない
物価上昇などによって家計に余裕がなくなれば、投資より生活費や預貯金を優先する家庭もあります。
NISAは魅力的な制度ですが、生活防衛資金を削ってまで投資する必要はありません。
「口座開設」が目的になってしまった
新NISA開始時には証券会社や銀行が積極的にキャンペーンを行いました。
そのため、
「とりあえずNISA口座だけ作った」
という人も一定数いると考えられます。
口座開設と実際の資産運用の間には、意外と大きなハードルがあります。
FPの視点|大切なのは「NISAをやっているか」ではない
NISAの加入率が高くなると、
「周りがみんなNISAをやっているから、自分も始めなければ」
と焦る人もいるかもしれません。
しかし、資産形成で重要なのは「NISAをやっているかどうか」ではありません。
重要なのは、
自分の家計やライフプランに合った方法で資産形成できているか
ということです。
例えば生活費の3~6カ月分程度の預貯金を確保せず、すべてのお金をNISAに投資してしまえば、急な出費が発生したときに困る可能性があります。
一方で、長期間使う予定のない余裕資金を普通預金だけに置いている場合には、NISAを利用した長期・積立・分散投資を検討する余地があります。
NISAは「投資商品」ではありません。
投資によって得られた利益を非課税にするための制度
です。
したがって、
「NISAを始めれば儲かる」
のではなく、
「自分に合った投資を行う際、税制面で有利になる仕組み」
と理解することが大切です。
NISAの加入率と実際の利用率についてまとめ
2025年12月末時点のNISA口座数は約2,821万口座となり、日本の成人のおよそ4人に1人以上がNISA口座を持つ水準まで普及しました。
新NISA開始前の2023年末と比較すると、約2年間で約696万口座増えています。
さらにNISAでの累計買付額は約71.4兆円に達し、2025年だけでも約18.7兆円が新たに投資されました。
一方で、
NISA口座を持っている人=現在NISAで積極的に運用している人
ではありません。
全国のNISA口座について「何%が現在稼働しているか」を示す最新の公的な一律データはなく、口座数だけから実際の利用者数を判断することはできません。
この違いは非常に重要です。
「NISAを始める人が増えている」というニュースを見る場合も、
口座数
実際の買付額
継続して投資している人
を分けて考える必要があります。
NISA口座が約2,800万まで増えた現在、次の注目点は「口座数がどこまで増えるか」だけではありません。
むしろ今後は、
口座を開設した人が実際に投資を始め、長期的な資産形成を続けられるか
が重要になってくるのではないでしょうか。
それでは、ありがとうございました!

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