AIブーム後に狙いたい日本株は?高配当・増配・株主還元強化の注目銘柄を検証

AIや半導体関連株が大きく上昇した後、

「次はどこに資金が向かうのか」

と考えている個人投資家も多いのではないでしょうか。

株式市場では、成長株だけでなく、

高配当株
増配株
低PBR株
株主還元強化企業

にも注目が集まりやすくなっています。

特に最近の日本企業では、単に利益を内部留保するだけではなく、

  • 増配
  • 累進配当
  • DOE採用
  • 自社株買い
  • 株主優待拡充

などを打ち出す企業が増えています。

ただし、

「配当利回りが高いから買う」

だけでは十分ではありません。

本当に長期投資に向いているのは、

高配当+利益成長+財務健全性+株主還元

を兼ね備えた企業だと考えます。

今回は、高配当・増配・株主還元強化という観点から、注目したい日本株について考えてみます。

目次

なぜ今、高配当・増配株が注目されるのか

これまで株式市場では、AI、半導体、データセンターなど成長性の高い企業に資金が集中する局面がありました。

しかし株価が大きく上昇すると、

「期待を織り込みすぎていないか」

という問題が出てきます。

そこで投資家の目が向きやすくなるのが、

まだ株価が割安で、しかも配当をしっかり出している企業

です。

特に日本企業では、東京証券取引所が企業に対して「資本コストや株価を意識した経営」を求めるようになったことで、株主還元への意識が強まっています。

低PBR企業が、

増配

自社株買い

ROE改善

市場評価上昇

という流れに入れば、

配当金を受け取りながら株価上昇も狙える

可能性があります。

「高配当株」と「増配株」は似ているようで違う

私はここを区別した方がよいと思います。

例えば、

A社

配当利回り6%
利益減少
配当性向90%
株価下落中

B社

配当利回り3.5%
利益成長
配当性向40%
毎年増配

この2社なら、現在の利回りだけ見ればA社が魅力的です。

しかし5年後まで考えるなら、B社の方が投資対象として魅力的になる可能性があります。

配当金が、

50円

55円

60円

65円

と増えていけば、購入価格に対する実質的な配当利回りも上昇していくからです。

そのため、

現在の利回りより「将来の配当が増える企業か」

を見ることが大切です。

注目① インフロニア・ホールディングス

最初に取り上げるのが、インフロニア・ホールディングスです。

証券コードは5076です。

インフロニアは、前田建設工業、前田道路などを傘下に持つ総合インフラサービス企業です。

2026年には水ingの完全子会社化を進めるなど、従来の建設会社から、インフラ運営・維持管理まで含む企業へ事業領域を広げています。(インフロニア)

日本では今後、

道路
橋梁
上下水道
公共施設

などの老朽化対策が長期的な課題になります。

その意味でインフロニアは、単なる景気循環型の建設会社というより、

「インフラ更新需要」

という長期テーマを持つ企業です。

インフロニアは株主還元も強化

同社は2026年に配当方針を変更しており、

年間配当60円を下限

とし、

配当性向40%以上

を基本方針としています。(インフロニア)

これは高配当株を考えるうえで興味深いポイントです。

利益が一時的に増えたから増配するのではなく、

一定水準の配当を維持する方針

が示されているからです。

一方で、建設・インフラ事業は大型案件や買収による資金負担も大きいため、

有利子負債
キャッシュフロー
大型M&A後の利益貢献

については確認しておきたいところです。

注目② 小森コーポレーション

小森コーポレーション(6349)は、商業印刷機械などを手掛けるメーカーです。

印刷業界というと、

「紙離れで成長しにくいのでは」

という印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし投資対象として見る場合には、成長性だけでなく、

財務資産と株主還元

という視点も重要です。

小森コーポレーションは現在、

総還元性向50%

を掲げ、さらに年間40円を最低配当額とする方針を示しています。(KOMORI CORPORATION)

つまり、

利益をすべて成長投資へ回す会社ではなく、

株主にも継続的に還元する企業

であることが明確になっています。

高配当株を選ぶ際には、

単年度の配当利回りよりも、

会社自身が株主還元についてどのようなルールを持っているか

を見ることが重要だと思います。

注目③ リズム

リズム(7769)は、時計や精密機器などを展開する企業です。

近年は株主還元にも積極的です。

2026年3月末時点で100株以上保有していた株主には、15,000円相当のデジタルギフトを株主優待として提供しています。

個人投資家にとって、

配当+優待

は非常に魅力的です。

ただし優待株では、

「優待利回りが高いから買う」

という判断は避けたいところです。

優待は企業判断で変更・廃止される可能性があります。

したがって、

本業利益
財務
配当
+優待

という順番で評価した方が安全です。

注目④ グッドコムアセット

グッドコムアセット(3475)は、東京23区などを中心に投資用マンションを展開する不動産会社です。現在は東証プライム市場と福岡証券取引所に上場しています。(グッドコムアセット)

不動産株の特徴は、利益成長と高配当を両立しやすい一方、

金利上昇に弱い

という点です。

物件取得のために借入金を利用するため、

金利上昇

支払利息増加

利益率低下

となる可能性があります。

実際、グッドコムアセットは2026年にも販売用不動産取得に伴う資金借入を公表しています。(グッドコムアセット)

したがって同社を見る場合には、

配当利回りだけでなく、

在庫
販売進捗
借入金
営業キャッシュフロー

をセットで確認したいところです。

注目⑤ IDOM

IDOM(7599)は中古車買取・販売の「ガリバー」を展開しています。

中古車市場は、新車の供給状況、オークション価格、為替などによって収益環境が変わります。

そのため、単純な安定高配当株というより、

業績回復+株主還元

を見る銘柄だと考えます。

2026年2月期には期末配当として1株20円17銭が決議されています。(アイドム)

高配当株投資として考えるなら、

中古車価格
店舗収益性
在庫回転率
営業キャッシュフロー

が重要です。

特に中古車会社では、在庫の増加がそのまま業績悪化につながる場合もあるため、貸借対照表も確認したいところです。

注目⑥ Orchestra Holdings

Orchestra Holdings(6533)は、DX関連事業やデジタルマーケティングなどを展開しています。

この会社の興味深い点は、

成長株でありながら累進配当を基本方針としている

ことです。

2026年12月期の配当予想は30円で、

普通配当25円
記念配当5円

となっています。(株式会社Orchestra Holdings-オーケストラホールディングス)

ここで重要なのは、30円すべてを通常配当と考えないことです。

5円は上場10周年の記念配当なので、翌期以降も続くとは限りません。

これは高配当株を見る際の典型的なチェックポイントです。

「配当額の中に一時的な配当が含まれていないか」

必ず確認したいところです。

注目⑦ チェンジホールディングス

チェンジホールディングス(3962)は、自治体DX、地方創生、ふるさと納税関連などを展開しています。

政府や自治体のデジタル化、人手不足解消という長期テーマに関連するため、

国策+DX

という成長テーマを持っています。

ただし、こうした企業では高配当よりも、

売上成長
営業利益成長
M&A効果
ROE

を中心に見るべきでしょう。

成長株を無理に「高配当株」として評価する必要はありません。

注目⑧ フルハシEPO

動画資料では「古橋EPO」とされていますが、正式名称は、

フルハシEPO株式会社

です。

証券コードは9221です。(フルハシ)

木質資源などのリサイクルを手掛ける企業で、

資源循環
バイオマス
脱炭素

といったテーマと関係があります。

こうした企業では、派手な成長テーマより、

廃棄物処理需要が継続するか

という事業の安定性を見ることが大切です。

ESG関連銘柄だから買うのではなく、

処理量
利益率
設備投資
キャッシュフロー

を確認したいところです。

注目⑨ ケイアイスター不動産

ケイアイスター不動産(3465)は、戸建分譲住宅を中心に展開しています。(ケイアイスター不動産グループ)

同社も個人投資家から人気のある銘柄の一つです。

さらに現在は株主優待制度もあり、100株以上の株主を対象にデジタル優待を実施しています。(ケイアイスター不動産グループ)

ただし住宅会社は、

住宅ローン金利
土地価格
建築資材価格
人件費

などの影響を強く受けます。

高配当だからといって永久保有するのではなく、

住宅販売件数と利益率

を確認することが重要です。

高配当株を選ぶなら「利回り」より先に見る数字がある

私は今後、高配当株を選ぶ場合には、まず次の数字を確認したいと思います。

①EPS

EPSは1株当たり利益です。

配当金の原資になる数字なので、

EPSが増えている会社

ほど増配余地があります。

理想は、

EPS上昇

配当上昇

株価上昇

という流れです。

②配当性向

次に配当性向です。

例えば、

EPS200円
配当80円

なら配当性向40%です。

まだ増配余力があります。

一方、

EPS100円
配当100円

なら配当性向100%です。

利益をほぼ全部配当に回しているため、増配余地は小さくなります。

もちろん業種によって適正水準は異なりますが、

30~50%程度

で利益成長している企業は個人的に魅力を感じます。

③営業キャッシュフロー

利益以上に重要なのが現金です。

会計上黒字でも、

営業キャッシュフローが毎年マイナス

という会社では注意が必要です。

配当金は現金で支払うため、

本業で現金を稼げているか

を確認する必要があります。

④BPS

BPSは1株当たり純資産です。

長期的にBPSが増えている企業は、

会社の内部に資産を積み上げています。

利益

内部留保

純資産増加

BPS上昇

という流れです。

そこに増配や自社株買いが加われば、

株主価値向上につながりやすくなります。

⑤ROE

最後にROEです。

PBR1倍割れだからといって、必ず割安とは限りません。

資本を効率的に使えていないため、株価が低く評価されている企業もあります。

そのため、

低PBR+ROE改善+株主還元強化

という組み合わせに注目したいところです。

私なら「高配当株の罠」をこう避ける

配当利回り5%、6%という数字を見ると、どうしても魅力的に感じます。

しかし私は、

なぜ5%になっているのか

を最初に考えたいと思います。

例えば、

株価2,000円
配当100円
利回り5%

だった会社が、

業績悪化

株価1,000円
配当100円

になれば、

配当利回りは10%になります。

しかしこれは魅力が2倍になったわけではありません。

むしろ市場が、

「100円の配当を維持できないのではないか」

と予想している可能性があります。

そのため、

高配当

業績確認

配当性向確認

CF確認

財務確認

という順番が重要です。

新NISAではどう買う?

高配当・増配株は、新NISAの成長投資枠とも相性があります。

ただし、一度に全額を投資する必要はありません。

例えば100万円投資するなら、

25万円

株価下落

25万円

決算確認

25万円

さらに押し目

25万円

という分散買いも考えられます。

特に株価が急落した局面では、

会社が悪くなったのか
市場全体が下がっただけなのか

を区別することが重要です。

市場全体の下落で業績が変わっていないなら、むしろ配当利回りが上昇し、購入機会になる可能性があります。

私が今後使いたい高配当・増配株の5条件

今回の内容を自分自身の投資ルールとして整理すると、次のようになります。

①配当利回り3~5%程度

②EPSが中長期で成長

③配当性向に余裕

④営業CFが安定して黒字

⑤増配・自社株買いなど株主還元姿勢が明確

この5つがそろっている企業を優先したいと考えます。

反対に、

高配当
+減益
+配当性向上昇
+借入増加
+営業CF悪化

となっている企業は慎重に判断します。

まとめ|「高配当」ではなく「利益成長+増配」を買いたい

高配当株投資では、

「配当利回り何%か」

だけに目が向きがちです。

しかし長期的な資産形成では、

今の配当額より、将来どれだけ利益と配当が増えるか

の方が重要かもしれません。

今回取り上げた企業も、

インフラ
印刷機械
不動産
中古車
DX
資源循環
住宅

と業種は大きく異なります。

そのため単純な配当利回りランキングでは比較できません。

私自身は今後、

業績

財務

配当

株主還元

現在株価

という順番で投資判断をしていきたいと思います。

理想は、

割安な価格で購入

利益成長

増配

市場評価上昇

株価上昇

という企業です。

AI関連株が人気だからAI株だけを買う。

高配当が人気だから高配当株だけを買う。

そうではなく、

市場の人気から少し離れたところで、利益と純資産を着実に増やし、株主還元も強化している企業を探す

ことが、これからの日本株投資では重要になってくるのではないでしょうか。

それでは、ありがとうございました!

※本記事は特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。最新の決算資料や適時開示をご確認のうえ、投資判断はご自身の責任で行ってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

金融・不動産・年金・リスク管理分野を専門とし、FP技能士1級、宅地建物取引士、管理業務主任者、貸金業務取扱主任者など多数の国家資格・金融資格を保有。

銀行業務検定では財務・法務・税務・年金・融資管理・金融リスクマネジメント等に合格し、近年はDX、生成AI、サイバーセキュリティ、サステナビリティ領域にも知見を広げている。

「難しい制度を、誰でも理解できる言葉で伝える」をテーマに、資産防衛・老後対策・金融リテラシー向上に関する情報発信を行っている。

コメント

コメントする

目次