米国株式市場のニュースを見ると、「NYダウが上昇」「S&P500が最高値」「NASDAQが下落」といった言葉が毎日のように登場します。
さらに、米国の中小型株の動向を見る指標として「ラッセル2000」も知られています。
しかし、
「NASDAQとS&P500は何が違うの?」
「S&P500は本当に時価総額の大きい500社なの?」
「NYダウは何銘柄で構成されている?」
「ラッセル2000は時価総額上位2000社なの?」
と聞かれると、意外と迷うものです。
今回は、米国の代表的な株価指数に関する問題を題材に、NASDAQ総合指数・S&P500・ダウ・ジョーンズ工業株価平均・ラッセル2000の違いをわかりやすく解説します。
米国の株価指標に関する問題

米国の株価指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢1
ナスダック総合指数は、NASDAQ市場に上場している全銘柄を対象とする時価総額加重平均型の株価指数である。
選択肢2
S&P500種株価指数は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQ市場などに上場している500銘柄を対象とする修正平均型の株価指数である。
選択肢3
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ニューヨーク・ダウ)は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQ市場に上場している100銘柄を対象とする修正平均型の株価指数である。
選択肢4
ラッセル2000指数は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQ市場などに上場している銘柄のうち、時価総額上位2000銘柄を対象とする時価総額加重平均型の株価指数である。
正解は
今回の正解は、1です。
各選択肢を整理すると次のようになります。
| 選択肢 | 判定 | 間違い・ポイント |
|---|---|---|
| 1 NASDAQ総合 | ○ | NASDAQ上場銘柄を広く対象・時価総額加重型 |
| 2 S&P500 | × | 「修正平均型」が誤り |
| 3 NYダウ | × | 100銘柄ではなく30銘柄 |
| 4 ラッセル2000 | × | 時価総額「上位2000銘柄」ではない |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
選択肢1|NASDAQ総合指数は時価総額加重型
選択肢1は適切です。
NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)は、NASDAQ株式市場に上場する銘柄を広く対象とした代表的な株価指数です。
大きな特徴が、時価総額加重型であることです。
時価総額とは、
株価×発行済株式数
によって考えられる企業の市場価値です。
したがって時価総額の大きな企業ほど、NASDAQ総合指数の値動きに与える影響も大きくなります。
NASDAQにはテクノロジー関連企業が多く上場しているため、NASDAQ総合指数もハイテク株や成長株の動向を反映しやすい指数として知られています。
覚え方
NASDAQ総合=NASDAQ市場を広くカバー+時価総額加重
と覚えておきましょう。
NASDAQ総合指数とNASDAQ100は違う
ここで注意したいのが、
NASDAQ総合指数
と
NASDAQ100指数
は別の指数だということです。
名前が似ているため混同しやすいところです。
NASDAQ総合指数はNASDAQ市場に上場する銘柄を幅広く対象とします。
一方、NASDAQ100は、NASDAQに上場する企業のうち、原則として金融会社を除いた大型の非金融企業を中心に構成される指数です。
そのため、
NASDAQ総合=市場全体を広く見る
NASDAQ100=NASDAQの大型企業を中心に見る
という違いがあります。
選択肢2|S&P500は「修正平均型」ではない
選択肢2は不適切です。
S&P500は米国を代表する株価指数の一つです。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場する企業の中から、一定の基準に基づいて選定された約500社で構成されています。
問題文で間違っているのは、
「修正平均型」
という部分です。
S&P500は基本的に浮動株調整後時価総額加重型の指数です。
つまり、市場で実際に流通可能な株式を考慮した時価総額が大きい企業ほど指数に大きな影響を与えます。
S&P500は「単純な時価総額上位500社」ではない
ここも実際の投資では知っておきたいポイントです。
S&P500という名前から、
「米国企業を時価総額順に並べて上位500社」
と思われることがあります。
しかし、厳密には違います。
一定の時価総額だけでなく、流動性や浮動株比率、利益など複数の適格性基準があり、指数委員会によって構成銘柄が決定されます。
したがって、
S&P500=単純な時価総額ランキング500社
ではありません。
米国の大型株市場を代表する約500社から構成される指数、と理解しておくとよいでしょう。
選択肢3|NYダウは100銘柄ではなく30銘柄
選択肢3も不適切です。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)は、一般に、
- NYダウ
- ダウ平均
- DJIA
などと呼ばれています。
最大のポイントは構成銘柄数です。
問題文では、
「100銘柄」
となっていますが、正しくは、30銘柄です。
です。
米国を代表する優良企業30社で構成されています。
NYダウは時価総額加重型ではなく「株価加重型」
NYダウのもう一つの大きな特徴が、計算方法です。
S&P500やNASDAQ総合指数が時価総額を重視するのに対して、NYダウは基本的に**株価加重型(価格加重型)**です。
そのため、株価そのものが高い銘柄ほど指数への影響が大きくなります。
ここは日本の日経平均株価と似ています。
試験対策としての覚え方
NYダウ=30銘柄+株価加重型
とセットで覚えておきましょう。
選択肢4|ラッセル2000は「時価総額上位2000社」ではない
選択肢4も不適切です。
ここは今回の問題で最も引っかかりやすいところです。
ラッセル2000(Russell 2000 Index)は、米国の小型株の代表的な株価指数です。
「2000」という名前から、
米国株の時価総額上位2000銘柄
と思ってしまいそうですが、そうではありません。
大まかな仕組みを理解するためには、まずRussell 3000 Indexを考えると分かりやすくなります。
Russell 3000は米国株式市場を幅広くカバーする指数です。
その中の、
大型株側のおおむね1000銘柄 → Russell 1000
それに続く小型株側のおおむね2000銘柄 → Russell 2000
という関係になっています。
したがってラッセル2000は、
「米国株の時価総額上位2000社」
ではなく、
Russell 3000の中の小型株側約2000銘柄
を対象とする指数と考えるのがポイントです。
ラッセル2000はなぜ重要なのか?
ラッセル2000は単なる試験用の指数ではありません。
米国経済を見るうえでも重要です。
S&P500には世界的に事業を展開する大型企業が多く含まれています。
そのため、米国外の景気や為替などの影響も受けます。
一方、ラッセル2000を構成する小型企業は、大型グローバル企業と比較すると米国内の事業環境の影響を受けやすい傾向があります。
そのため、
米国の中小型株の投資家心理
を見る代表的な指標の一つとして利用されています。
また、小型企業は大型企業に比べて資金調達環境の影響を受けやすいため、金利動向との関係にも注目されます。
4つの米国株価指数を比較
今回登場した指数を整理してみましょう。
| 指数 | 主な対象 | 銘柄数のイメージ | 算出方法の特徴 |
|---|---|---|---|
| NASDAQ総合 | NASDAQ上場銘柄を広く対象 | 多数 | 時価総額加重型 |
| S&P500 | 米国大型株を代表する企業 | 約500 | 浮動株調整時価総額加重型 |
| NYダウ | 米国を代表する優良企業 | 30 | 株価加重型 |
| Russell 2000 | 米国小型株 | 約2,000 | 浮動株調整時価総額加重型 |
試験では、**「銘柄数」と「算出方式」**を入れ替えた問題に注意しましょう。
日本の株価指数と比較すると覚えやすい
米国の株価指数は、日本の株価指数と比較すると理解しやすくなります。
例えば、
S&P500 ⇔ TOPIX
は、どちらも時価総額を重視するタイプの指数です。
一方、
NYダウ ⇔ 日経平均株価
は、どちらも株価の高い銘柄の影響を受けやすい株価加重型の指数です。
もちろん構成銘柄の選定方法などは異なりますが、試験対策として「指数の計算方法」を整理するときには役立ちます。
S&P500とNASDAQ、どちらが米国市場を表している?
実際に米国株へ投資するときには、それぞれの指数が何を表しているかを理解することも重要です。
S&P500
→ 米国大型株市場全体の動向を把握しやすい
NASDAQ総合
→ テクノロジー・成長企業の動きを比較的反映しやすい
NYダウ
→ 米国を代表する30社の動向を見る伝統的な指数
Russell 2000
→ 米国小型株の動向を見る
というように、同じ日に指数ごとに値動きが大きく異なることもあります。
例えば、
S&P500は上昇しているのにRussell 2000は下落
している場合、大型株には資金が入っているものの、小型株には慎重な投資姿勢が続いている可能性があります。
複数の指数を組み合わせることで、米国株式市場をより立体的に見ることができます。
まとめ
各選択肢をもう一度整理しましょう。
選択肢1 ○
NASDAQ総合指数はNASDAQ市場の銘柄を広く対象とする時価総額加重型の株価指数です。
選択肢2 ×
S&P500は「修正平均型」ではなく、浮動株調整時価総額加重型です。
選択肢3 ×
NYダウは100銘柄ではなく、30銘柄です。また、株価加重型の指数です。
選択肢4 ×
Russell 2000は米国株の時価総額上位2000社ではありません。Russell 3000のうち、小型株側の約2000銘柄を対象とします。
試験直前には、
NASDAQ総合=NASDAQを広くカバー+時価総額加重
S&P500=約500社+時価総額加重
NYダウ=30社+株価加重
Russell 2000=小型株約2000社
という4つの組み合わせを覚えておきましょう。
特に、
「S&P500=単純な時価総額上位500社ではない」
「Russell 2000=時価総額上位2000社ではない」
という2点は、数字だけを暗記していると間違えやすい重要ポイントです。
それでは、ありがとうございました!

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