俳優の佐野史郎さんが、2026年8月26日放送のテレビ朝日系『徹子の部屋』で、島根県松江市にあった実家を整理し、約20トンもの荷物を処分したことを明かしました。
佐野さんの実家は、江戸時代から続く医師の家系に受け継がれてきた旧家です。
建物は安政年間のもので、母屋だけでも10部屋以上あったといいます。
歴史ある大きな実家と聞けば、価値の高い「資産」を想像する人も多いでしょう。
しかし、住む人がいなくなった家には、固定資産税や修繕費、家財の処分費などが発生します。
売却できなければ、資産どころか家計を圧迫する「負債」のような存在にもなりかねません。
そこで今回は、
佐野史郎さんが実家じまいで20トンを処分した経緯
経済の専門家から見た実家が負債に変わる理由
実家じまいで後悔しないための相続対策
以上の3つの観点から、実家を引き継ぐ際に知っておきたいポイントを解説します。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
佐野史郎の実家じまいで20トン処分した理由

佐野史郎さんは、島根県松江市で江戸時代から続く医師の家系に生まれました。
実家には母親が一人で暮らしていましたが、2024年ごろに亡くなったことをきっかけに、佐野さんは実家じまいを進めることになりました。
安政年間に建てられたとされる住居は、母屋だけでも10部屋以上。
長い年月をかけて蓄積された荷物を整理したところ、その量は約20トンに達したといいます。
佐野さんは番組で、明治時代の着物や高度経済成長期以降に両親が購入した品々が残っていたと説明しました。
古い時代の物だからといって、すべてに高い市場価値があるわけではなく、その大部分を処分したそうです。
テレビ朝日の番組紹介でも、実家の規模と約20トンの家財を整理したことが紹介されています。
一方、佐野さんが残したのは明治時代から受け継がれてきた写真やアルバムでした。
家族の歴史や当時の生活を知ることのできる写真は、金銭的な評価だけでは測れない大切な財産だったのでしょう。
なお、佐野さんが実家じまいにかかった費用を公表した事実は確認できません。そのため、「20トンなら処分費はいくら」と一律に断定することはできません。
実際の費用は、家財の種類、搬出経路、作業人数、建物の立地、買い取れる品物の有無などによって大きく異なります。
歴史的な建物の場合は、通常の住宅よりも解体や改修に慎重な対応が必要になる可能性もあります。
佐野さんの事例から見えてくるのは、荷物が大量に残された実家の整理には、家族だけでは対応しきれないほどの時間と労力がかかるという現実です。
経済の専門家から見ると実家は資産から負債へ変わる?
経済的に見た住宅の価値は、「古い」「広い」「由緒がある」という理由だけでは決まりません。
重要なのは、第三者が買いたいと思う需要があるか、賃貸や事業に活用できるか、そして維持費を上回る収益や売却価値を生み出せるかという点です。
不動産には土地や建物としての価値がある一方、所有しているだけで固定資産税、火災保険料、庭木の手入れ、換気や清掃、修繕などの費用が発生します。
遠方に住んでいれば、現地へ通う交通費や管理業者への委託費も必要です。
さらに、古い家には雨漏り、シロアリ、屋根や外壁の劣化といった問題が起きやすくなります。
使わないまま時間が経過するほど、売却前の修繕費や解体費が膨らむ可能性があります。
このように、収益を生まないまま支出だけが続く実家は、会計上の負債ではなくても、家計のキャッシュフローという意味では「負債化」していると考えられます。
この問題は、佐野さんのような大きな旧家に限った話ではありません。
総務省統計局の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約900万2,000戸と過去最多になりました。
売却用や賃貸用、別荘などを除く空き家も増加しており、実家を引き継いだものの、使い道を決められない家庭が直面する全国的な課題になっています。総務省統計局
「建物が残っていれば固定資産税が安いから、急いで処分しなくてもよい」と考える人もいるかもしれません。
しかし、放置して管理状態が悪化すると注意が必要です。
国土交通省によると、市区町村から「管理不全空家」または「特定空家」として勧告を受けた場合、その土地は固定資産税などの住宅用地特例を受けられなくなる可能性があります。国土交通省
つまり、判断を先送りすることにも経済的なリスクがあるのです。
実家が資産になるか負担になるかを判断する際は、思い出や取得時の価格ではなく、現在の売却可能額から家財処分費、修繕費、解体費、税金などを差し引いた「手取り額」で考える必要があります。
佐野史郎の20トン処分から学ぶ実家じまいと相続対策
実家じまいで最初に取り組みたいのは、親が元気なうちに家と家財の状況を家族で共有することです。
親にとって価値のある物と、子供が残したい物は必ずしも一致しません。
処分してよい物、形見として残す物、査定を依頼する物を本人と一緒に確認しておけば、相続後の負担を大幅に減らせます。
佐野史郎さんが家族写真やアルバムを残したように、保存する基準を金銭的価値だけに限定する必要はありません。
ただし、すべてを保管しようとすれば、保管場所や管理費が新たな負担になります。
写真や手紙などは、特に大切な物を現物で残し、それ以外はデジタル化する方法もあります。
家族の記録を守りながら、物理的な荷物を減らせるためです。
次に確認したいのが、不動産の名義や境界、住宅ローン、共有者の有無です。
登記上の所有者が亡くなった祖父母のままになっていると、相続人が増えて売却や解体の合意形成が難しくなる場合があります。
2024年4月1日から相続登記は義務化されています。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。
制度開始前に発生した相続も対象になり得るため、古い実家ほど登記の確認が重要です。法務省
さらに、実家を「住む」「貸す」「売る」「解体する」「当面維持する」という選択肢に分け、それぞれの費用と将来性を比較します。
売却を検討する場合は、不動産会社1社だけで判断せず、複数社に査定を依頼したほうがよいでしょう。
ただし、査定価格は必ずその金額で売れるという保証ではありません。
周辺の成約事例や売却までにかかる期間も確認する必要があります。
家財整理についても、業者ごとに料金や作業範囲が異なります。見積書では処分費だけでなく、搬出費、車両費、階段作業費、家電リサイクル料金、追加料金の条件まで確認することが大切です。
価値が分からない古美術品、着物、時計、カメラ、古書などがある場合は、処分業者へ一括して渡す前に、専門業者の査定を受ける方法もあります。
ただし、「古いから高く売れる」とは限らないため、過度な期待は禁物です。
実家じまいの最大の対策は、相続が発生してから一気に片付けることではありません。
親が元気なうちから少しずつ物を減らし、登記や資産状況を確認し、将来の方針を家族で決めておくことです。
まとめ
佐野史郎さんは、母親の死去をきっかけに、松江市にあった実家を整理しました。
母屋だけでも10部屋以上ある歴史的な住居から処分した荷物は、約20トンに達したといいます。
その一方で、佐野さんは明治時代からの写真や家族のアルバムを残しました。
実家じまいとは、単に古い物を捨てる作業ではなく、家族にとって本当に残すべきものを選ぶ作業でもあるのでしょう。
経済的には、住む人のいない実家でも固定資産税や管理費、修繕費は発生し続けます。
売却や活用の見通しが立たなければ、本来は資産であるはずの不動産が、家計に支出だけをもたらす存在になる可能性があります。
大切なのは、「実家だからいつか価値が上がるだろう」と先送りしないことです。
親が元気なうちに家財を整理し、不動産の名義や市場価値を確認したうえで、住むのか、売るのか、貸すのかを話し合っておく必要があります。
佐野史郎さんの「20トン処分」は、実家じまいが一部の家庭だけの問題ではないことを教えてくれます。
家族の思い出を守りながら経済的な負担を次世代へ残さないことこそ、これからの相続対策で重要になるのではないでしょうか。
それでは、ありがとうございました!

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