石川雅規が現役引退|200勝を目標に続けた25年間から学ぶ「目標を持つ老後設計」

東京ヤクルトスワローズの石川雅規投手が、2026年シーズン限りで現役を引退することを表明しました。

46歳、プロ25年目。

ヤクルト一筋で投げ続け、積み重ねた勝利は通算188勝です。

石川投手といえば、長年「通算200勝」という大きな目標を掲げて現役生活を続けてきたことでも知られています。

結果だけを見れば、200勝には12勝届きませんでした。

しかし、引退会見で石川投手は、200勝という目標があったからこそ188勝まで積み上げることができたという趣旨の言葉を残しています。

この考え方は、実は私たちの老後設計や資産形成にも非常に通じるものがあります。

「老後資金2,000万円を作りたい」

「65歳まで働きたい」

「住宅ローンを60歳までに完済したい」

「60歳までに1,500万円貯めたい」

こうした目標を立てても、必ずその通りになるとは限りません。

では、目標を達成できなければ人生設計は失敗なのでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの立場から、石川雅規投手の25年間の現役生活を参考に、「目標を持つ老後設計」について考えてみたいと思います。

目次

石川雅規が46歳で現役引退、25年間で188勝

石川雅規投手は1980年1月22日生まれ。

青山学院大学から2001年のドラフト自由獲得枠でヤクルトへ入団し、2002年から一軍でプレーしてきました。

身長167センチと、プロ野球の投手としては決して大柄ではありません。

それでも制球力や投球術、そして長年にわたる試行錯誤によって、25年間プロの世界で投げ続けてきました。

2026年9月1日時点のNPB公式記録では、通算551試合に登板し、188勝194敗。

現役選手では突出した長いキャリアを築いています。

引退会見では、46歳まで現役を続けられた理由について、野球が上手くなりたいという気持ちや、さまざまなことに興味を持ちながら試行錯誤してきたことを挙げました。

そして200勝についても、大きな意味を持つ言葉を残しています。

石川投手は、勝利を一つずつ積み重ねる中で50勝、100勝という節目を迎え、長く現役を続けるうちに200勝が大きな目標になったと振り返りました。

結果は188勝。

それでも、

200勝という目標があったからこそ、188勝まで積み上げることができた。

この考え方こそ、老後設計や資産形成にも応用できるのではないでしょうか。

老後資金も「目標額を達成できなければ失敗」ではない

老後のお金を考えると、

「老後資金2,000万円」

「3,000万円必要」

など、どうしても大きな数字に目が向きます。

しかし資産形成で本当に重要なのは、

最終的な目標額だけではありません。

例えば60歳までに2,000万円を作ることを目標にしたとします。

結果として1,700万円しか作れなかった。

この場合、

「300万円足りなかったから失敗」

と考える必要はありません。

もし目標を設定していなければ、1,700万円まで積み立てられなかった可能性もあるからです。

石川投手の200勝と同じです。

200勝には届かなかった。

しかし200勝という数字があったから、188勝まで積み上げられた。

資産形成も、

「目標はゴールであると同時に、行動を続けるための方向を示すもの」

と考えることができます。

老後設計で最初に決めたい3つの目標

老後設計というと、

「いくら貯めればいい?」

という質問から始まりがちです。

しかしFPとしては、金額だけではなく3つの目標をセットで考えることが重要だと思います。

1.何歳まで働くか

まず考えたいのが働く期間です。

60歳で完全に仕事を辞める。

65歳まで働く。

70歳まで短時間勤務を続ける。

個人事業を続ける。

働き方によって必要な老後資金は大きく変わります。

例えば65歳から年金生活に入る予定だった人が、月10万円程度の仕事を70歳まで続ければ、5年間で単純計算600万円の収入になります。

もちろん税金や社会保険料などを考慮する必要はありますが、

「長く働くこと」そのものが大きな老後対策

になります。

石川投手が46歳までプレーを続けたように、長く稼ぐ力を持つことは、金融資産を増やすことと同じくらい重要です。

2.老後にどんな生活をしたいか

老後資金に「全員共通の正解」はありません。

毎月25万円必要な家庭もあれば、20万円程度で生活できる家庭もあります。

旅行をしたい。

趣味を楽しみたい。

地方へ移住したい。

孫への援助をしたい。

住宅ローンが残っている。

こうした生活スタイルによって必要なお金は変わります。

つまり、

「2,000万円必要だから貯める」

ではなく、

「こういう老後を送りたいから○○万円必要」

という順番で考えることが重要です。

3.何歳までにいくら作るか

生活イメージができたら、具体的な資産目標を設定します。

例えば、

50歳 金融資産1,000万円

55歳 1,500万円

60歳 2,000万円

65歳 2,500万円

といった形です。

大きな目標を一つだけ設定すると、

「まだ1,000万円も足りない」

と感じてしまいます。

しかし途中に小さな目標を置けば、

「今年は100万円増えた」

「1,000万円を突破した」

と進捗を確認できます。

石川投手も最初から200勝だけを見ていたわけではありません。

1勝、50勝、100勝と、一つずつ積み重ねています。

資産形成にも同じ考え方が使えます。

「毎月の積み立て」は野球の1勝に似ている

資産形成に一発逆転は必要ありません。

例えば毎月5万円を積み立てれば、

1年間で60万円。

10年間なら元本だけでも600万円。

20年間なら1,200万円です。

そこに運用益が加われば、さらに資産が増える可能性があります。

NISAやiDeCoなどを使って長期・積立・分散投資をする場合も、重要なのは、

「毎月続けること」

です。

投資を始めた直後に株価が下落することもあります。

思ったほど資産が増えない年もあります。

しかし、そのたびにやめてしまえば長期資産形成はできません。

石川投手が「基本を毎日大切にして積み重ねたことで今がある」と引退会見で語ったように、資産形成でも日々の基本動作が重要です。

目標は途中で変えてもいい

人生設計でもう一つ大切なのは、

目標は途中で変更しても構わない

ということです。

例えば50歳のとき、

「60歳で退職する」

と考えていた人がいるとします。

しかし55歳になって、

「仕事が楽しいから65歳まで続けよう」

と考えが変わるかもしれません。

逆に、

健康問題

親の介護

会社の早期退職制度

家族環境の変化

などによって、予定より早く仕事を辞めることもあります。

その場合、最初に作ったライフプランを修正すればよいのです。

FPが作成するライフプランも、一度作ったら終わりではありません。

定期的に見直すものです。

目標は未来を縛るものではなく、

「今どちらへ進むべきかを示す目印」

と考える方がよいでしょう。

石川雅規に学ぶ「長く続ける」という強さ

石川投手のキャリアで特に印象的なのが、25年間同じ球団でプレーしたことです。

野球選手の世界では、

若手の台頭

故障

成績低下

戦力外

など、さまざまな理由によって現役生活が終わります。

石川投手自身も、思うように勝てない時期を経験しています。

それでも毎年自分の投球を見直しながら試行錯誤を続けてきました。

これは会社員のキャリアにも通じるところがあります。

50代になると、

「若い人には勝てない」

「定年まで我慢すればいい」

と考えてしまう人もいます。

しかし人生100年時代では、50代以降にも長い人生が残っています。

資格を取る。

新しい仕事を覚える。

副業を始める。

AIなど新しい技術を学ぶ。

これまでの経験を生かして別分野へ挑戦する。

こうした「試行錯誤」を続ければ、働ける期間を延ばせる可能性があります。

働く期間が延びれば、

給与収入が続く。

年金受給開始までの空白期間が短くなる。

資産を取り崩す期間が短くなる。

積立期間が長くなる。

という複数のメリットがあります。

老後資金対策では「いくら運用するか」だけでなく、

何歳まで収入を得られるか

も非常に重要なのです。

「健康」も老後の大切な資産

石川投手は46歳までプレーを続けられた理由として、身体のケアについても語っています。

プロ野球選手にとって身体は仕事道具そのものです。

しかしこれは会社員も同じです。

例えば60歳以降も働きたいと思っていても、健康上の理由で働けなければ計画通りにはいきません。

その意味では、

現預金

株式

投資信託

不動産

だけが資産ではありません。

健康も「将来収入を生み出すための資産」

と考えることができます。

老後設計では、

「65歳まで働くから大丈夫」

だけではなく、

「65歳まで働ける身体をどう維持するか」

まで考える必要があります。

老後設計では「複数のゴール」を持とう

石川投手の200勝への挑戦から、もう一つ考えたいことがあります。

それは、

老後設計の目標を一つだけにしない

ということです。

例えば、

目標A 60歳までに2,000万円

目標B 65歳まで働く

目標C 住宅ローンを60歳までに完済

目標D 65歳から年金を受給

目標E 70歳まで月5万円程度の副収入を得る

というように、複数の目標を設定します。

すると仮に、

「2,000万円には届かなかった」

としても、

「仕事を3年間延長する」

「支出を月2万円減らす」

「年金受給時期を再検討する」

などの修正ができます。

老後設計は、

一つの数字を達成できるかどうかの勝負ではありません。

複数の選択肢を持ち、状況に応じて修正していくことが大切です。

188勝は「200勝失敗」ではない

今回の石川投手の引退で象徴的なのが、この考え方です。

通算200勝を目標にして、

結果は188勝。

数字だけなら、

「目標未達」

となります。

しかし25年間プロの世界で投げ続け、188勝を積み上げたキャリアを「失敗」と考える人はいないでしょう。

老後資金も同じです。

2,000万円を目標にして、

1,800万円だった。

3,000万円を目標にして、

2,700万円だった。

それでも、その資産を作るまでに、

毎月積み立てた。

無駄な支出を減らした。

投資について勉強した。

長く働いた。

住宅ローンを返した。

という積み重ねがあります。

目標には届かなくても、

目標を持ったことで人生がより良い方向へ進むことがあります。

FPとして考える「良い老後目標」とは

では、どのような目標を設定すればよいのでしょうか。

FPとしておすすめしたいのは、

「少し頑張れば届きそうな目標」と「長期的な大目標」を両方持つこと

です。

例えば現在金融資産が500万円なら、

まず600万円。

次に1,000万円。

その先に2,000万円。

という形です。

いきなり2,000万円だけを見ると遠く感じます。

しかし、

500万円

600万円

800万円

1,000万円

1,500万円

2,000万円

と考えれば、一歩ずつ進めます。

これは石川投手が1勝ずつ積み上げて188勝まで到達した姿にも重なります。

まとめ|目標は達成するためだけにあるのではない

石川雅規投手は2026年シーズン限りで、25年間のプロ野球人生に幕を下ろします。

46歳までヤクルト一筋でプレーし、通算188勝。

目標だった200勝には届きませんでした。

しかし引退会見で石川投手は、200勝という目標があったから188勝まで積み上げることができたという考えを示しました。

これは老後設計にも非常に参考になる言葉だと思います。

老後資金2,000万円。

65歳まで働く。

住宅ローン完済。

毎月5万円積み立てる。

こうした目標を立てても、人生は計画通りに進むとは限りません。

大切なのは、

「達成できなかったら失敗」と考えないこと。

目標があることで、今日何をすればよいのかが明確になります。

石川投手の188勝も、一度に積み上げたものではありません。

一つ一つの勝利の積み重ねです。

資産形成も同じです。

毎月の積立。

日々の家計管理。

長く働くための健康管理。

自分の能力を高める学び直し。

こうした小さな積み重ねが、10年、20年後の大きな差になります。

老後設計で重要なのは、

「何歳になったらいくら持っていたいか」

という目標を持ちながらも、途中で状況を確認し、必要なら計画を修正していくことです。

石川雅規投手が200勝という大きな目標を掲げ続けたからこそ188勝まで到達したように、

私たちの人生にも、少し先を目指す目標があるからこそ到達できる場所がある。

そんなことを、25年間投げ続けた「小さな大投手」の野球人生から学べるのではないでしょうか。

それでは、ありがとうございました!

※本記事は2026年9月3日時点の情報を基に作成しています。資産形成や老後資金について必要な金額は、収入・支出・家族構成・年金額・保有資産などによって異なります。投資には元本割れの可能性がありますので、ご自身の状況に応じて判断してください。

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この記事を書いた人

金融・不動産・年金・リスク管理分野を専門とし、FP技能士1級、宅地建物取引士、管理業務主任者、貸金業務取扱主任者など多数の国家資格・金融資格を保有。

銀行業務検定では財務・法務・税務・年金・融資管理・金融リスクマネジメント等に合格し、近年はDX、生成AI、サイバーセキュリティ、サステナビリティ領域にも知見を広げている。

「難しい制度を、誰でも理解できる言葉で伝える」をテーマに、資産防衛・老後対策・金融リテラシー向上に関する情報発信を行っている。

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