安奈淳の生き方に学ぶ老後対策|膠原病を抱えても仕事を続けるためのお金の備え

元宝塚歌劇団のトップスターとして活躍し、「ベルサイユのばら」のオスカル役でも知られる安奈淳さん。

2026年8月31日放送の「徹子の部屋」では、60年来の友人である美川憲一さんと共演します。

安奈淳さんは現在79歳。50代で膠原病を患い、生死の境をさまようほどの闘病を経験しました。それでも芸能活動に復帰し、現在も歌手としてステージに立ち続けています。テレビ朝日も、難病を抱えながら「歌える事が幸せ」と前向きに生きる姿を紹介しています。(テレ朝POST)

病気を抱えながら長く働く人生は、芸能人だけの話ではありません。

人生100年時代では、私たちも「病気になったら老後資金はどうなるのか」「医療費を払いながら生活できるのか」「70代になっても仕事を続けるべきなのか」を考える必要があります。

今回はファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、安奈淳さんの生き方を参考に、病気と付き合いながら老後を暮らしていくためのお金の備えについて考えます。

目次

安奈淳は現在79歳!膠原病を抱えながら今も現役

安奈淳さんは1947年7月29日生まれ、大阪府出身です。

1965年に宝塚歌劇団へ入団し、星組、花組の男役トップスターとして活躍しました。

特に1975年の「ベルサイユのばら」で演じたオスカル役は大きな注目を集め、第1期「ベルばらブーム」を築いたスターの一人として知られています。

1978年の宝塚退団後も女優・歌手として活動を続けてきました。(タレントデータバンク)

そして驚かされるのが、79歳になった2026年現在も現役だということです。

公式サイトによると、2026年7月には「Birthday Dinner Show」を開催。さらに9月のコンサート出演、10月のスペシャルライブ、12月のクリスマスディナーショーなどが予定されています。(安奈淳 公式サイト | 株式会社Office Anna Jun)

つまり安奈淳さんにとって、70代後半になった現在も「仕事」は人生の大切な一部分だと考えられます。

安奈淳が患った膠原病とは?53歳で「余命3日」と告げられた過去

華やかな芸能人生を歩んできた安奈淳さんですが、その人生には大きな転機がありました。

2000年、53歳のころに体調が悪化。

過去のインタビューでは、舞台で歌っている最中に声が途切れるようになり、その後、肺や体に水がたまるなど深刻な状態になったと振り返っています。

病院では一時「余命3日」と告げられるほど危険な状態だったとされています。(毎日が発見.net)

その後のインタビューでは、膠原病の一つである**全身性エリテマトーデス(SLE)**と診断されたことを明かしています。

SLEは厚生労働省が定める「指定難病49」に該当します。症状が軽快する時期と悪化する時期を繰り返しながら、慢性的な経過をたどることがある病気です。(厚生労働省)

なお、「膠原病」は複数の病気を含む総称です。膠原病であればすべて同じ症状、同じ治療になるわけではない点には注意が必要です。

病気を抱えても仕事を続ける安奈淳の生き方

安奈淳さんの人生で印象的なのは、大病を経験したことだけではありません。

その後、仕事へ復帰していることです。

2026年8月31日の「徹子の部屋」では、パーキンソン病を公表した美川憲一さんと出演。美川さんと安奈さんは約60年来の友人で、お互いに病気を経験したことから、より支え合う存在になったと紹介されています。(まんたんウェブ)

番組で紹介されている2人の言葉が、

「歌えることが幸せ」

というものです。

ここには老後を考えるうえで大切なヒントがあります。

老後対策というと、

「老後までに2000万円必要」

「年金だけでは足りない」

「資産運用をしなければならない」

と、お金ばかりが注目されがちです。

しかしFPとして考えたいのは、老後資金を貯めることそのものが人生の目的ではないということです。

好きな仕事を続ける、社会との接点を持つ、人に必要とされる。

そうした「生きがい」も長い老後には非常に重要ではないでしょうか。

FPが考える「病気になっても働く」ための3つのお金の備え

では、私たちが安奈淳さんのように年齢を重ねても自分らしい生活を続けるには、どのようなお金の準備が必要なのでしょうか。

①生活防衛資金を確保しておく

まず大切なのが、すぐに使える現金です。

病気になると、

  • 医療費
  • 通院交通費
  • 入院時の食事代
  • 差額ベッド代
  • 日用品費
  • 仕事を休むことによる収入減

などが同時に発生する可能性があります。

特に注意したいのが「収入減」です。

医療保険に加入していても、毎月の生活費すべてを保障してくれるとは限りません。

そのため、投資とは別に、生活費の数か月分程度をすぐに引き出せる預貯金として確保しておくことが重要です。

退職後であれば、年金収入と毎月の生活費との差額も把握しておきたいところです。

②高額療養費制度など公的制度を知っておく

大きな病気になったからといって、医療費をすべて自己負担するわけではありません。

代表的なのが高額療養費制度です。

1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合、超過した部分が支給される制度で、自己負担上限額は年齢や所得によって異なります。

2026年8月から制度の見直しも行われているため、実際に利用するときは最新の自己負担限度額を確認することが大切です。(厚生労働省)

さらに、指定難病については、一定の要件を満たせば医療費助成を受けられる可能性があります。

安奈淳さんが過去のインタビューで公表している全身性エリテマトーデス(SLE)も指定難病に含まれています。実際に助成対象となるかどうかは病状などの要件があるため、住んでいる都道府県や保健所などへの確認が必要です。(厚生労働省)

「病気になったら民間保険」という発想だけではなく、まず公的保障を確認し、その不足部分を貯蓄や保険で補うことがFP的な考え方です。

③「完全引退」だけでなく細く長く働く選択肢を持つ

もう一つ注目したいのが働き方です。

老後には、

現役時代と同じように働くか、完全に引退するか

という二択しかないわけではありません。

例えば、

  • 週5日から週3日にする
  • フルタイムから短時間勤務にする
  • 経験や資格を生かして副業する
  • 在宅でできる仕事を持つ
  • 好きな仕事だけを続ける

という方法もあります。

月3万円でも年間では36万円、月5万円なら年間60万円です。

10年間続けば、それぞれ360万円、600万円になります。

資産運用で毎年同じ金額を利益として得ることは簡単ではありませんが、「働いて得る収入」は老後資金を長持ちさせる強力な手段になります。

安奈淳さんと一般の会社員では仕事内容も収入も大きく異なるため、単純比較はできません。

それでも、79歳になっても自分のできる形で仕事を続けていることは、これからの高齢社会を考えるうえで参考になる生き方だと思います

病気に備えるなら「医療費」より「収入減」も考える

FPとしてもう一つ強調しておきたいのが、病気になった際の「収入減」です。

会社員など一定の健康保険加入者の場合、業務外の病気やケガによって働けず、給与が支払われないなどの条件を満たせば「傷病手当金」が利用できる場合があります。

協会けんぽの場合、傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月です。(きょうかいけんぽう)

一方、自営業者や退職後の人などでは利用できる制度が異なります。

だからこそ50代、60代になったら、

「病気になったら医療費はいくらか」

だけではなく、

「半年働けなかったら生活できるか」

という視点で家計をチェックすることをおすすめします。

安奈淳の現在から考える「老後資金」の本当の目的

安奈淳さんは53歳で生死の境をさまよう大病を経験しました。

それから20年以上が過ぎ、79歳となった2026年現在もステージに立っています。

2026年にもバースデーディナーショーを開催し、秋以降のライブやディナーショーも予定されています。(安奈淳 公式サイト | 株式会社Office Anna Jun)

これは「何歳まで働くべき」という話ではありません。

大切なのは、

働きたいときに働ける選択肢を残しておくこと

ではないでしょうか。

そのためのお金です。

老後資金を準備する目的は、単に銀行口座の残高を増やすことではありません。

病気になったときに治療に専念できる。

仕事を減らしたいときに減らせる。

やりたい仕事なら続けられる。

そして人生を楽しむためにお金を使える。

そんな「選択できる人生」をつくることこそ、老後資金を準備する大きな意味だと考えます。

まとめ

安奈淳さんは50代で膠原病を患い、一時は「余命3日」と告げられるほど深刻な状態を経験しました。

しかし、その後仕事へ復帰し、79歳となった現在も歌手として活動を続けています。

安奈淳さんと美川憲一さんが語る「歌えることが幸せ」という言葉は、長い老後を考えるうえで印象的です。(テレ朝POST)

FPの視点から見ると、病気への備えで重要なのは、

  1. すぐに使える生活防衛資金を持つ
  2. 高額療養費や指定難病の医療費助成など公的制度を知る
  3. 病気による収入減にも備える
  4. 年齢を重ねても続けられる仕事を持つ
  5. お金だけでなく「生きがい」も大切にする

ことです。

人生100年時代には、誰もが元気なまま老後を迎えられるとは限りません。

だからこそ「病気にならないこと」を前提に老後設計をするのではなく、病気になっても生活を続けられる家計をつくっておくことが重要です。

79歳になってもステージに立つ安奈淳さんの姿は、「老後=引退」と決めつける必要はないことを教えてくれているのかもしれません。

それでは、ありがとうございました!


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この記事を書いた人

金融・不動産・年金・リスク管理分野を専門とし、FP技能士1級、宅地建物取引士、管理業務主任者、貸金業務取扱主任者など多数の国家資格・金融資格を保有。

銀行業務検定では財務・法務・税務・年金・融資管理・金融リスクマネジメント等に合格し、近年はDX、生成AI、サイバーセキュリティ、サステナビリティ領域にも知見を広げている。

「難しい制度を、誰でも理解できる言葉で伝える」をテーマに、資産防衛・老後対策・金融リテラシー向上に関する情報発信を行っている。

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